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【「知りたい」という欲求】その欲求を遮ってはいけない

 

昨日は高1の生徒から数学の質問を受けた。

 

絶対値付きの不等式で、入試レベルにも近い難易度。

 

どうやら、模試の問題で出されたらしい。

 

 

 

しかしこの子は、正直、数学があまり得意ではない。

 

ちょうど先週、この「絶対値付きの不等式」の基礎の部分を噛み砕いて解説したばかり。

 

 

だから、最初はちょっと解説するのを躊躇した。

 

このレベルの問題をちゃんと理解して解けるようになるまでは、

 

まだまだ越えなくてはいけない関門がいくつもあって、

 

それを越えずにいきなりこの問題に飛びつくのは、

 

分からないことを無駄に増やすだけになるリスクが高い、と思ったからだ。

 

 

 

そう思って、最初はやんわりと

 

「もう少し基礎を固める方が先じゃない?」って言ったんだけど・・。

 

 

 

・・・、

 

 

・・・、

 

 

うーむ、首をなかなか縦に振らない。

 

どうしても、引き下がろうとしない。

 

どうしても、解き方が気になるらしい。

 

どうしても、その解き方を知りたいらしい。

 

 

 

 

でも、それがこの子の良いところでもある。

 

「絶対に分かるようになりたい」という気持ちが、めちゃくちゃ強いんだ。

 

一度そのスイッチが入ったら、もう誰が何と言おうと引かない。

 

たとえそれが、今の自分にはちょっとキャパオーバーだとしても、

 

そんなことは関係ない。知ったこっちゃない。

 

 

中学生の頃も、そうだった。

 

そのおかげで、第一志望校への合格もちゃんとその手で勝ち取ったからね。

 

それが高校生になっても変わらない、というか、若干強くなってる(?)というのは、

 

とても素晴らしいことではないか。

 

 

 

この子のやり方は、もしかしたら回り道が多いやり方かもしれない。

 

でも、それは別に悪いことではない。

 

 

とかく、自分たち塾人は、「より正しい(と自分が考える)方法」に導いていこうとしがちだけど、

 

それよりも本人の「知りたい、分かりたい欲求」が勝ってたら、

 

こちらの考えは一度引っ込めて、本人のやりたいように、進みたいようにやらせる。

 

これも塾人として重要なことなんだと思う。

 

 

 

昨日の子には、

 

「ここまで来たらこの先は自分で進んでいけるよ」というところまで解説して、

 

そこから先は、あえて手放した。

 

その方が達成感も大きいし、

 

もし自分で進んでいけなかったとしても、

 

もう一度基礎に戻って、仕切り直しで再スタートを切ればいいだけの話。

 

 

このレベルの問題は、

 

最後のゴールは自分の力で決めてほしいからね。