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人は言葉を読んだり聞いたりして理解する。
では、その「理解」とはどういう状態なのか。
僕が思うに、それは、
その言葉を読んだり聞いたりして、それが伝えようとしていることが頭の中で映像や絵として描けている
ということだと思う。
それが上手く描けないうちは、理解できていない、ということ。
なんだってそうだ。
たとえば、簡単なところで言うと、
「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」
この文を読み、頭の中におじいさんとおばあさんが一緒に暮らしている様子が頭の中に描けるか。
さらに、それはどんな家か。周りの様子はどうか。
そういったことが想像できるか。
ということである。
おそらく多くの人は容易にそれが出来るだろう。
つまり、多くの人がこの文を理解できてる、ということである。
では、この文章はどうだろうか。
「本研究では,ダイナミックプライシングの下でプロシューマーが「余剰電力」に対して持つことができる事業オプションについて,短期の繰り返し事業オプションである「売電タイミングオプション」と,長期の事業オプションである「蓄電設備導入オプション」という2 つの事業オプションの観点から価値構造の分析を行った。」
どうだろう。ネットにあった難しめの論文を適当に拾ってきたのだが、
正直、僕には何を言ってるのかさっぱり理解できない(笑)
それは、この文章を読んでほぼ何も頭の中に描けないからである。
何となく「余った電力に関係ある仕事の話なのかな~」くらいは、うっすら想像できるけど(笑)
こんなものを読めと言って読まされても、おそらく5分と持たないと思う。
これと同じことが、子供たちにも起きている。
よく、自分が興味がある分野の本は進んで読むけど、そうじゃないものは全然読もうとしない、
という話を耳にするが、
これも原理は同じだ。
興味があることに関しては、読みながらどんどん頭の中で映像化されていく。
だから何の苦労もなくどんどん読み進められる。
でも、興味が無いことは、そもそもそれに関する知識が無いので、読んでいてもちっとも頭の中で映像化できない。
そうすると、読んでても全然面白くないのだ。だから読まない。
では、どうすればいいのかって?
カギとなるのは、「知識」と「経験」だ。
この2つがあれば、その言葉から映像や絵を頭の中に描きやすくなる。
その言葉の意味と、その周辺や向こう側にある知識。
それが多ければ多いほど言葉を映像化しやすい。
「サルミアッキ」と聞いて、
それが何のことかを知っていれば、「ああ、あれね」となって脳内にサルミアッキを思い描けるけど、
知らない人にとっては、「何それ?」となっておしまい。
さらに、それが「フィンランドの伝統的なお菓子で、「世界一まずいお菓子」と言われてる」
というところまで知ってれば、
さらに細かく詳細に描くことができる。
だから、まずは「知識」が多い方がいい。
あとは、「経験」だ。
色々なことを経験し、自分の五感で感じたことが多ければ多いほど、
映像化はしやすくなる。
自分の記憶と直結することができるからだ。
要するに、大事なことは、経験と知識を増やしていくこと。
それが、「言葉のより深い理解」にダイレクトにつながっていく。
そして、その機会は日常生活のあらゆる場面で、そこら中に散らばってるから、
ぜひアンテナをしっかりと張ってそれを発見してほしい。
そして、活用してほしい。