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12/1に行われた今年度第7回目の北辰テストの「福地的、問題の分析と講評」
前回の英語(標準版)に続き、
最後は「学校選択版の英語」で締めくくろう。
昨年同時期の学校選択版英語の全県平均点は、
28.0点であった。
おそらく、多くの受験生が最後まで解き終えられなかったのだろう。
28点と言えば、大問1のリスニングを全問正解すれば取れる点数である。
このことからも、多くの受験生にとって難攻不落の問題だったことがうかがい知れる。
とは言いつつも、出題範囲はあくまでも中学内容のみである。
丹念に基礎からコツコツと日頃の努力の積み上げを継続してきていれば、
28点しか取れないような超難問ではないのだ。
さて、本題に入っていくことにしよう。
【大問1】
リスニング。音声自体は標準版と共通のもの。
問題も、No.7の最後の2題(6点分)を除けば標準版と同じだ。
つまり、少なくともここで22点は手堅く取れるということ。
標準版と異なる最後の2題は、たしかに標準版に比べたらほんの少し難しいが、
丁寧に聞き取っていけば迷うことなく正解を導き出せる。
なので、やはりこの大問1は全問正解で通過してほしいところ。
【大問2】
文章の題材は、標準版の大問4と共通。つまり「里山」がテーマの話。
問題の方も、実は正しく読めてれば正解に迷わない問題がほとんど。
つまり、ちゃんと本文に書いてますよ、ということだ。
分量の多さに焦ってしまわなければ、全問正解だって決して不可能ではない。
いくつかの問題をピックアップすると、
問3の並び替えは、let、第4文型、to不定詞の3つの文法事項が絡んだもの。学校選択問題では、これが標準のレベル。
問7の後日談の問題は、「明かりを消す」という日本語は容易に想像できるだろう。なので、これも簡単な問題だね。
【大問3】
世界の核の危機のレベルを示す「終末時計」がテーマの文章。なかなか内容の深い文章だ。
広島と長崎の原爆はもちろんのこと、第五福竜丸の被爆のこと、映画「ゴジラ」が当初は核兵器の脅威を伝えるために作られたものであること、などの知識があると読みやすかっただろう。
これらの知識は、学校の教科だと「社会」の範ちゅうに入るものだが、
教科として教わるのではなく、日頃から色々なことにアンテナを張り、
自分にあまり興味が無いことでも「なんだ、これは?」って感じで、少しその情報や知識に触れてみる。
そういうことによってより深く知ることが出来たりもする。
学校選択問題を採用する上位校、大宮、浦和、浦和一女、春日部を始めとした県内トップの公立校に進学する生徒たちは、
多かれ少なかれ、そういうアンテナの感度が良い。
その感度の良さもまた、これらの高校で学ぶには必須のものと言えるかもしれない。
それにしても、現在、終末時計が真夜中の12時(核による地球滅亡の日)の90秒前まで来てるとは・・。
さて、問題の方は、国語の文章を読むときと同様、
読みながらその情景を頭に描けていければ比較的楽に解ける問題がほとんどだ。
もちろん、基本の文法知識は絶対に必要だが。
最後の問6の要約問題だけは難問の比率が高いので、
ここにはむしろ、あまり時間をかけない方が得策。
特に今回の(3)なんて、「他の人達と」という日本語が文脈から想像できた受験生は、はたしてどれだけいるだろうか。
【大問4】
「北海道に新幹線で行くのと飛行機で行くのとではどちらが好きか」というテーマで40~50語程度の英文を書くというライティング問題。
ライティングの真骨頂と言える問題だが、これは英検の過去問やライティング問題集が良い練習素材となる。
この問題にかけられる時間は5分程度だろう。5分間の中で日本語を作成しながらそれを英語に直していくことになる。
これこそ、日頃からの練習量が命運を分ける問題である。
学校選択版の英語はこんな感じだ。
最初にも書いたが、
決して28点しか取れないような問題ではない。
ちゃんと練習を積み上げていけば、この倍は余裕で取れると言っても過言ではない。
残り80日。時間はまだある。
焦らずに日々の努力を継続し続け、このレベルの問題にも十分に対応出来る力を完成させていこう。