昨日やった小学生の子の算数の授業。
内容は、「小数のわり算の答えを概数で求める」というもの。
一通りやり方を説明し、類題も一緒に解き、いざ問題へ。
・・・
うーむ、ちょっと時間がかかってるな。
うーむ。。。でも、小数のわり算自体は合ってるな。さんざん練習してきたから、ここはもうお手のものか。
そうか、どのケタで四捨五入するかで混乱してるのか。
あ~、その問題はそのケタじゃないんだけどなぁ。。
というようなことを、横で見ながら考えているんだけども、
あえてここでは、本人に口出ししない。
何も言わずに、ただ黙ってるだけ。何なら、見てみないフリもしている。
しばらく経って、問題が解き終わり、答え合わせ。
結果は、やっぱり×。
うん、知ってる。ずっと横で見てたから。
さあ、ここからは自分の出番なんだけれども、
一つ一つ丁寧に、手取り足取り説明することはしない。
何をするかというと、
最初の説明に戻り、質問のしかたは少しだけ変えるけど、そこを何度も確認させる。
で、×だった問題をもう一回解かせる。
もしそこでまた×だったら、もう一度これを繰り返す。
自分は、必要以上に丁寧に教えることはしない。
最初の導入は丁寧にかみ砕いて教えるけど、そこから先は、基本「さっき説明した通りだよ」で通す。
不親切だと思われるかもしれないけど、教え過ぎはかえって子供たちの依存心ばかりを強くしてしまう。
そうすると、いつまで経っても誰かの手助けが無ければ解けるようにならない。
自分で解くことが出来ないから、いつまで経っても勉強が楽しいとは思える日が来ない。
当然、自学力は全く身につかない。
これでは結局、子供たちのためにならないからね。
あえてちょっと突き放すことで、子供たちは自分の力で何とかしようともがき始めるし、話だってより真剣に聴くようになる。
こっちは、もがきながら先に進めば必ずゴールに到達する道筋を、最初の段階で作ってあるから、
あとはその姿を横で見てるだけだ。
そうすると、時間はかかるけど、子供たちは自力でちゃんとゴールに到達することができる。
そこで得た達成感が真の達成感だし、こういう達成感の小さな積み重ねが、やがて大きな自信になっていく。
そうやって、勉強にハマっていくんだ。
昨日の算数の子も、最後にやった初見の問題はちゃんと自力で正解が出せて、
おそらく途中でとても苦労したからだろう、
いつもよりも達成感を実感してることが表情からモロに伝わってきたよ。
「さよなら!ありがとうございました!」の声も、いつもより通りが良かったしね。
自分たちの仕事は、ただ勉強を教えるだけではなく、
むしろそれは本当に小さい部分で、
それよりもはるかに大事なことは、こういう達成感をず~っと与え続けることなんだよな、きっと。