さすがに5月も終わりのこの時期で、受験を全く意識しないで勉強している受験生はいないだろう。
ただ、本格的に腰を据えて受験勉強を始める最終リミットがいつなのかを、ここで改めて伝えておきたい。
高校入試と大学入試では異なるけれど、
まずは高校入試。これは、中3の夏休みだ。
実は中3の夏休みは、受験に向けてまとまった勉強ができる最後の時期。
2学期になったらまた学校が始まって夏休みほど自由な時間は取れないし、冬休みは短い。
そして、冬休みが終われば、入試はもう目の前だ。
だから、中3の夏休みを逃すともう後はない。ここが最終リミットだ。
そして、この時期までに準備を済ませておくこと。それが、「中2までの内容の基礎固め」。
特に理科と社会はそう。
さすがに、中3の夏休みから復習を始めて全て終わらせられるほど甘くはない。
受験勉強は、言い換えれば実戦問題の経験値を積み上げていくこと。
そのためには、基礎基本を完全無欠状態に限りなく近付けておかないとといけない。
「砂上の楼閣」という言葉もあるけど、
実戦問題の土台となる基礎基本が固まってないと、
その上に実戦演習を積み上げていってもうまくいかない。
それどころか、積み上げてきたものも一緒にもろとも崩れ落ちてしまう可能性もある。
そうならないために、中3の夏休みまで、つまり1学期の間に、
まずは中2までの内容をしっかり復習して基礎を固めておかないといけないんだ。
そして、次は大学入試の方の最終リミット。
これは、正直、高3の夏休みでは手遅れ。
理由は簡単で、やらなくてはいけない量が高校入試の比ではないから。
もちろん、大学を選ばなければ高3の夏休みからでも遅くはないけど、
少なくとも日東駒専以上を目指すなら、
高3に上がった時点、つまり高3の4月が最終リミットだ。
もちろん、まだ1学期は部活もあるだろうから、勉強に割ける時間はさほど多くないだろうけど、
高校入試の時と同じノリで考えていたら手遅れになるよ、ということは覚えていてほしい。
中には、もしかしたら、高3の4月でも遅いと言う人もいるかもしれない。
実際、大手の予備校は高2の1月を新年度スタートにしているところもある。
もっとも、これには大人の裏事情的なこともあるのだろうけど、
大学受験を目指す高3生は、今この段階で本格的なスタートを切れてないと相当な出遅れ状態になってしまうのは間違いない。
ライバル達が既に2~3周トラックを走った後にスタートする、みたいな感じだ。
これ、追い付くのは相当な努力が必要だよ。
大学入試がこういう状況になってる大きな要因の一つは、
入試が9月から始まる、ということだ。
総合型選抜のスタートが9月だから。
ただ、それだけが理由ではなく、一般入試の難易度が上がってることも、
これまた大きな要因の一つ。
以前と違って、単に知識を問うだけの問題は今は全くと言っていいほど出題されない。
今は、知識を使って自分で考えて答えを出す問題が主流。
これを限られた制限時間の中で正確に解いていくためには、
しっかりと時間をかけて練習を積んでいかなくてはいけない。
つまり、「理解」の次の段階である「習得」に膨大な時間をかけないといけないんだ。
だから、早めのスタートを切る必要がある。
もしまだ本格的なスタートが切れてないという人は、
今すぐにスタートを切ってほしい。
そうじゃないと、焦りの感情がどんどん大きくなっていく。
この「焦り」の感情は、受験勉強にとってきわめて大きな障害となる。
これは高校受験も一緒だ。
高校入試や大学入試は待ってくれない。
だから、一日でも早いスタートが勝利の第一条件なんだ。