令和6年度埼玉県公立高校入試。
第3回目は社会の振り返りです。
では、早速大問1の世界地理から。
問1~問4まで、どの問題も、
基礎知識がしっかりと身についていれば楽に解けるものばかり。
問3の記述は、現地(ベトナム)の人件費が安く済むのと労働者年齢が多いという定番のものだし、
問4の資料読み取りは、何か裏があるのではないかと疑ってしまうほど、
ド直球の選択しばかリでした。
次に、大問2の日本地理。
こちらも、大問1の世界地理同様、基礎知識だけで解ける問題ばかり。
日本の各地域の気候の特徴、近郊栽培や促成栽培の特徴。
これらの内容には何度も触れているはず。
問4は、少し考えなくてはいけなかったかもしれないけど、
グラフの読み取りは、そのままを素直に読み取って答えればOK。
問5は、おなじみの地形図の問題だけど、
特別な知識は無くても普通に地図が読めれば大丈夫。
総じて、今回の地理の問題はここ数年で一番簡単だった、と言えるでしょう。
その分、歴史が今までよりも少しハードでした。
大問4の歴史の前半は、
どの問題も、各時代の特徴を出来事を含めて正確に覚えていないと解けない問題。
たとえば、墾田永年私財法は奈良時代、浄土信仰は平安時代後期、とかね。
意外と、問5の「伊能忠敬」が一番正答率が高いかもしれません。
単純な一問一答問題なので。
大問5の歴史の後半も、
細かいところまで正確に覚えてるかが試される問題でした。
ただそれは、細かい知識までも知っているかということではなく、
いかに、表面的ではなくて体系的な学習を積み上げてきてるか、ということ。
日比谷焼き打ち事件が、いつ、どのような背景で起こったのか、
自由民権運動は、いつの時代に、どのような背景で起こったのか、など、
それぞれの出来事を紐づけていきながら学んでいく。
これが重要である、ということです。
歴史上の出来事には必ず、それが起こった原因や時代背景があるので。
今回、歴史の問題で1つラッキーだったのは、
出来事の並べかえ問題が出なかったこと。
これは毎年難易度が高い問題になるので。
大問5と大問6の公民分野は、
学校の教科というより、今の時代を生きる人間として知っておくべき知識が
多く問題に出されてました。
いくつか問題をピックアップすると、
まずは大問5から、
問2 正誤の判断に迷う選択肢が多く、難しかったかも。
問3 これも、問3と同様で、最後の一つになかなか絞り切れなかったかも。
問6 保護貿易と自由貿易の意味、大きな政府と小さな政府の意味が分かってることが前提の問題。
続いて大問6。
問1 出来事の並べかえだけど、どれも明らかに時代が違うものなので、易しめだったでしょう。
問3 ド定番の「シリコンバレー」が出されました。
問4 知識を問う問題ではなく、完全に「考えさせる」問題。今後はこのような問題が徐々に増えていくでしょう。
以上、社会に関して、分析というより解いてみての感想を書いてみました。
最後に、今回も総括を一言でまとめると、
「基礎的な事項を、表面的にではなくその背景なども含めて体系的に学習していれば難しくない」問題でした。
そして、単に暗記に頼るだけの一問一答形式は徐々に減り、
考えさせる問題が増えてきてるということ。
「社会は暗記科目」と高を括ってると、後で必ず痛い目に遭います。