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今年の公立入試問題(2023年度入試)

 

こんにちは。春日部アカデミー塾長の福地です。

 

昨日2月22日、埼玉県の公立高校入試が行われました。

生徒たちは皆この日のために頑張ってきており、私たちも第一志望校の合格に向けてできる限りのことをさせて頂きました。

当日の朝には近くの八幡神社で合格祈願のお参りをし、あとは彼らを信じて運命の結果を待つだけです。

3月3日の合格発表の日にきっと全員から「合格しました!」という報告が聞けることを楽しみにしながら待ちたいと思います。

 

 

昨日の問題は以下のサイトで公開されていたので、さっそく私も目を通しました。

https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/r5gakuryokukensamondai.html

(一部の問題は著作権の関係から非公開になってます。)

 

ここからは、私が感じた今年の入試問題の傾向と今後やるべきことについて簡単に書いていきたいと思います。

少し長い内容になりますが、ぜひ最後までお読みください。

 

 

国語

長文問題は著作権の関係で文章が公開されていないので何とも言えません。

その他の問題で一番特筆すべきことは、「俳句の季語の問題が出された」ということでしょう。しかし難易度は高くなく、特に対策をしていなくても感覚的に正解が出せる問題でした。

漢字の問題は例年通りの難易度で、読みは漢検準2級程度、書きは漢検3級程度のものでした。

作文のお題は「インターネットの適切な利用について」というもので、昨今の時代背景をよくおり、書きやすい内容だったのではないかと思います。

 

数学(学力検査)

大問1の問題は、ほとんどが基本レベルの問題でした。ここだけで50点は取れる内容です。

反面、後半は難問が含まれており、いわゆる「捨て問」の見極めが重要でした。

 

数学(学校選択)

大問1は例年通り複雑な計算が中心でしたが、意地悪な問題はありませんでした。

後半の問題は、問われていることを素早く理解する処理能力が試されるものでした。

 

社会

難易度は例年通りでした。教科書の内容から逸脱した問題はありませんが、各単元の内容は正確に身につけておかないと解けない問題がほとんどでした。

また、単に知識を問う問題は少なく、その知識を使って考えさせる問題も増えてきています。これはここ数年ずっと見られる傾向で、今後も続いていくでしょう。

問題文も文章量が増えてきています。最初に問題を見た時の第一印象で文章量の多さに圧倒された受験生も多いかもしれません。これもここ数年ずっと見られる傾向で、今後も、文章量が増えることはあっても減ることはないでしょう。

 

理科

理科も社会と全く同じことが言えます。各単元の内容を正確に身につけ、それを使って考えて解くことが求められること、そして問題文の文章量が多いので、素早く正確に内容を読み取る力が必要になります。

個人的に、今年は「光」の問題が出ると予想しており、それを生徒たちにも伝えていました。それが見事に的中したのは嬉しいことでした。

 

英語(学力検査)

リスニングの前半の問題は少し手の込んだ問題が増えたので、戸惑った受験生も多いかもしれません。

大問2が、今までのような単純な語彙問題ではなくなり難易度が上がりました。他にも全体的に語彙や文法問題の難易度は上がりましたが、逆に内容理解に関する問題は難易度が下がりました。しっかり文章を読めば正解を出しやすい問題が多かったです。

 

英語(学校選択)

リスニング問題の最後(No.7)の難易度が上がりましたが、それ以外は例年よりも少し簡単になった印象です。最後のライティングもお題が「海の近くか山の近くのどちらに住む方を好むか」という、拍子抜けするほど簡単なものでした。

 

 

以上が各教科ついての内容ですが、全体を通して感じたことは以下の2つです。

 

1つ目は、どの教科も極端に難しい問題は無く、問われているのは「基礎的な知識がしっかりと身についているか」と「その知識を使って考えて答えを出せる力が身についているか」という2点。しっかりと勉強をしてきた子が良い思いをする、非常に完成度が高い問題だと思います。

 

2つ目は、どの教科も「読ませる文章の量が多い」ということです。これを50分という決まった時間内で読み解き、何が求められているのかを理解し、自分が持っている知識を使って解答を出す、ということが求められています。

 

 

これらをふまえ、未来の高校受験生の皆さんに必要となってくるのは以下の2つです。

 

まずは、「基礎をしっかりと固めること」です。基礎の重要性は今までも何度も伝えてきていますが、これがますます重要になってきます。「しっかりと固める」とは、「どんな状況であっても、考えずに正しい答えが出せる状態」を目指すことです。そのために、たとえば春日部アカデミーでも基礎の復習用の教材をお渡ししてますが、それを最低3回はやり、いつ、どの問題が出されても、短時間でそれを正解できるようにしておくことが重要です。

その状態にしておけば、あとは実戦演習で「その知識を使って考えて答えを出す問題」の色々なパターンに触れて解けるようにし、経験値を上げていくだけです。基礎がしっかりと固まっていれば、これは難しいことではありません。

 

2つめは、「文章を読み、正しく内容を読み取る力を付けておく」ことです。これは短期間で出来ることではないので、今から始めておかなくてはいけないことです。

やり方として一番お勧めなのは国語の読解問題の訓練をしていくことです。なぜなら、読解問題は「求められている答えを文章中から探し、それを決められた方法で答える」というものだからです。この訓練が、国語だけではなく全ての教科に繋がっていきます。

春日部アカデミーでも読解問題の訓練ができる講座があるので、それを活用していただくのも一つの方法です。

また、読書感想文を書くのも良いかもしれません。ただし、書いた感想文は必ず誰かに確認してもらう必要があります。文章に書かれている内容が正しく読み取れているかを正しく判断してもらうことが必要だからです。

 

 

今回は昨日行われた県立高校の入試問題について書かせていただきました。この内容が未来の受験生の皆さんのお役に少しでも立てたら嬉しいです。

今年の受験は昨日終わりましたが、来年の受験は2月21日なので既に1年を切っています。

今から焦る必要はありませんが、日々の学習を大切にし、受験でも大いに力を発揮してもらいたいと思います。

 

 

 

今回は昨日の入試問題に出てきた表現の中から一つ紹介します。

 

Wait there.  I’ll come to you.

(そこで待ってて。僕がそっちに行くから。)

 

これはリスニング(大問1)のNo.5の選択肢にあった表現です。普通、日本語の「行く」は英語で「go」ですが、相手のところに行く場合だけは、「go」ではなく「come」を使います。

goには「遠くに離れていく」というイメージがあるので、相手のところに近づいていくときに使うとgoのイメージと合わなくなってしまうのですね。

それに対し、comeのイメージはgoの真反対で「近づいてくる」です。「相手のところに行く」のは「相手に近づいていく」ということなので、このような場合はcomeが使われるのです。

それでは、次回もお楽しみに。