今の学校指導要領がスタートして、早数年。中学校は2021年からだから、今年で4年目だ。
この学習指導要領が導入される前に、さんざん言われていたのが「英語が飛躍的に難しくなる」ということ。
この塾業界も、生徒や保護者たちを煽りに煽りまくってた。
さすがに、やり過ぎじゃないの?って、逆にこっちが引いてしまうくらいにね。
あの頃は、嫌だったなぁ~。
業界的には絶好のビジネスチャンス、っていう下心が見え見えだった。
表向きには生徒のため、保護者のためをうたっていても、結局のところ、自分たちにとって都合の良い事実だけを伝え、ただ悪戯に不安を煽ってるだけ、
としか自分には感じられなかった。
だから自分は、必要以上に煽ることはしなかった。
一応、時流に乗ってそれっぽいチラシは作ったけど、結果的に反応は「ゼロ」だったしね(苦笑)
今にしてみれば、いい思い出だ。
さて、話を本題に移そう。
一体全体、はたして本当に、英語は難しくなったのか?
それに対しての自分の答えは、YESだ。
ただ、重要なのはその中身、どう難しくなったのか、ということで、
難しくなった要因は、集約するとたった一つ。
単語数が増えた。それだけ。
ついでにそれに付随することとして、文章の内容は少し高度になったかな。
語彙が増えると深めの内容まで述べることが出来るからね。
でも、それだってそこまで騒ぎ立てるほどのことではなく、
実際、新しくなった英語の教科書を最初に見た時の感想は、
「え?たったこの程度??」って感じで、なんだか逆の意味で衝撃だった。
あんなに騒いでたほどのことではないな、と。
それに、そもそも単語数が増えたところで、学習のしかたや覚え方が変わるわけでもなく、
というか、そういうことで変えてはいけないことだし、
基本の単語をちゃんと身につけていれば、そこから先は、習得スピードはゆっくり加速度をつけながら速くなっていく。
だから、基本の重要性はそれまで以上に高まった、というのは確実に言えることだ。
そしてこれは、英単語だけではなく、英文法に関しても言えること。
英文法も、導入前にはさんざん「難しくなる」と騒がれていたことで、その中身は、「項目数、新しい文法事項が増えるから」というものだった。
具体的には、「現在完了進行形」や「使役動詞のmakeなど」や「仮定法」なんだけど、
これだって、基礎がちゃんと固まっていれば、チョロいのよ。
逆に、これらが難しいと感じるというのは、その前の基礎が身についていない、という明白な証拠になる。
なぜなら、現在完了進行形は、現在完了と進行形のちょっとした応用だし、
使役動詞のmakeは、SVOCのmakeのちょっとした応用だし、
仮定法だけは新たな考え方になるけど、それだって、ある条件のもとで動詞の時制が規則的に変わる、っていうだけだからね。あとは、接続詞のifか。
あとは、こういうのが新しく入ってきたことによって、
たとえばSunshineの教科書では中2の早い段階で不定詞と動名詞が出てくる、っていう変化もあったけど、
それも、中1の段階で以下に基礎基本をしっかりと固めておけるかに係ってる、ってだけのこと。
ということで、ここまでの話を一言でまとめて言うと、
英語は、「難しくなった」というより、「基礎基本の重要性がそれまでよりも劇的に高まった」
ということに尽きる。
基礎基本がしっかりとしてれば、本当に中3の内容なんて、いとも簡単に理解できてしまう。
これは、前にも書いたけど、中3ステラの生徒たちがしっかりと証明してくれてること。
あと一つ、これも重要なことで、
教える側の技量がそれまで以上に大きく問われるようになった、
とも言えるかな。
教える側が、ちゃんと一本の線に沿って、先まで見越して教えられてるか。
結局のところ、今の学習指導要領は、
生徒側にとって難しいかどうかではなく、教える側の真価が問われる指導要領だってことだね。