ある大手個別指導塾のメルマガが届いた。
ここの塾は、
「成績ミドル層(=中下位層のこと。彼らはそれをこう呼んでいる)を主な対象にしています」
とか言いながら、
成績が中位以下の生徒は授業でなかなか活躍できず、可哀そうな思いをしてる
などと、彼らに対して極めて失礼な決めつけをしていて、
どれだけ上から目線なんだよ、といつも思うのだけど、
ま、それは脇に置いとくとして。
今回のメルマガのテーマは、
「褒めることの難しさ」についてだった。
内容を簡単に要約すると、
褒めることは難しい。
その理由の一つは、
講師側と生徒側では「よくできた、頑張った」の基準が違うことがあるから。
たとえば、いつも30点だったテストが40点だったとしたら、
それを褒められなかったら、生徒のモチベーションは今まで以上に下がる。
頑張ったら塾の先生に褒められたという成功体験の積み重ねが
成績アップにつながる。
うーん、ちょっと違うんだよなぁ・・。
褒めることの難しさやその理由は、たしかにそうだろうけど、
褒めるべきなのは、
テストの点が30点から40点に上がったことではなく、
そのテストに向けてどれだけ努力をしてきたか、
そのプロセスの方でしょ。
そのプロセスをちゃんと見ずに結果だけを褒めるのは、よくない。
もしかしたら、たまたま取れちゃっただけかもしれないじゃん。
そのテストに向けて、その子がどういう取り組みをしてきたか。
そこをちゃんと見てあげないと。
むしろ、見るのはそこだけでいい。
本当に一生懸命取り組んでいたのなら、
たとえ結果が悪くても褒めるべき。
さらに、
そもそも、なぜその子が今まで30点だったのか。
その原因は何なのか。
勉強のやり方に問題があるのなら、正しいやり方を身につけさせなきゃいけないし、
もしその子の怠けやサボりが原因ならば、
褒める前に「叱咤」がなくちゃいけない。
そこまでちゃんと見るのが、塾講師の役割。
ここは本当に上手くやらないと、
生徒とは表面的な付き合いしか出来なくなるし、
成績の上昇も継続しない。
だから自分は、結果だけを見て褒めるなんてことは、
絶対にしない。
それは生徒に対して失礼だとさえ思ってる。
あと一つ、
頑張ったら塾の先生に褒められたという成功体験の積み重ねが
ってあるけど、
これ、理想はもちろんこういうことなんだろうけど、
実際にテストの結果に表れないと、
せっかく積み重ねたものも簡単に崩れてしまう。
少なくとも自分はそう思ってる。
頑張った成果を目に見える形で出してあげることも我々塾人の役割だし、
それは「褒めること」というより、
塾人として当たり前のこと。
だから自分は、
真剣に取り組まずにテキトーにやってる子は本気で叱るし、
そんなことでは成果は出ないからね、
勉強のやり方も口うるさく指導してる。
そういうことが出来て初めて、
「褒める」の効果が出るのだと思ってる。