R06県立高校入試の分析と感想【英語(学校選択)】

 

令和6年度埼玉県公立高校入試。

最終回の今回は、英語「学校選択版」の振り返りです。

 

 

早速、大問1(リスニング)から。

 

素材となる英文は学力検査版と同じ。

No.1からNo.5までの問題も同じ。

これは毎年同じね。

学校選択組の人達にとっては、軽いウォーミングアップになったことでしょう。

 

No.6とNo.7は、

選択肢の英文が少し長めになってたり(No.6)、

空欄に入れる語数が少し多かったりと(No.7)、

若干難易度が上がってたけど、全て想定の範囲内

 

No.7の(2)が間接疑問文を完成させる問題だったのと、

(3)が関係代名詞の省略を使って主語を長くするタイプの英文だったのが、

さすが学校選択版、という感じ。

やはりここでも重要なのは、「完璧な基礎力」です。

 

 

続く大問2の長文集合問題は、

文章自体は学力検査版の大問4と同じもの。

設問の方も、問題の難易度自体は例年通り。

ただ、文章量が多いのでじっくりと考える時間はありません。

これもまた、例年通りのこと。

 

問題ごとに見ていくと、

 

問1は、ごく普通の内容一致問題。答えをミスリードするような意地悪な選択肢も無し。

 

問2は、びっくりするくらい簡単なボーナス問題。

 

問3は、逆に相当ハードな並べかえ。

最初は「useful」だろうというのは簡単に見抜けるけど、その後が面倒くさい。

「make A B(AをBにする)」や不定詞が絡んで長くなっているのだけれど、

それを見抜いて英文に仕上げるのに、少し時間がかかりそう。

 

問4は、ボーナス問題ね。

 

問5もボーナス問題に近いけど、because of から始まる名詞中心のフレーズを、

正しく文の形に置き換えられるかがカギ。

 

問6は単なる内容一致問題だけど、

学校選択版では定番の「話の最初から全体に関するもの」だから、

答える前に「本当にこれで良かったっけ?」という確認作業は必要かも。

 

問7は、空欄部分が「自分がやること、何かある?」という内容であることが

前後関係から読み取れればOK。

あとはそれを英語で表現するだけ。

 

 

大問3は、毎年トピックが楽しみな長文問題。

今回のトピックは「人口冬眠(artificial hibernation)」でした。

自分にとっても未知の分野だったので興味深かったです。

 

こんな、内容的に高度な長文が出されるのも、学校選択版の特徴の1つ。

英検で言うと準2級よりむしろ2級に近い感じ。

単語の注の数が多いのでそれを頼りに読んでいけば内容は読み取れるけれど、

このレベルの文章にしっかりと馴染んでおくことは、学校選択組にとって必要不可欠です。

 

 

問題の方は、

 

問1は、前後関係がつかめれば難なく解ける問題。

もちろん、基礎文法の知識が盤石であることは絶対条件。

 

問2も、正確に読み取れていれば迷う余地は無いでしょう。

 

問3は、下線部の直前に答えあり。

 

問4は、答えの箇所はすぐに見つかるはず。

あとは、それをいかに「文」の形で表現するか。

 

問5は、主格の関係代名詞を使った基本的なもの。

ただ、直前のasが「~として」という意味で、後ろにはまず名詞が続くことは

最初に見抜いて、というか気付かなくてはいけないこと。

これに直感的に気付けないと、おそらく時間切れ、タイムアウトになってしまうのだけれど、

直感的に気付けるようになる唯一の方法は、

「時間をかけてたくさんの英語に触れること」しかないからね。

 

最後の問6は、今回はさほど難しくなかったです。

おなじみの要約文の穴埋めだけど、話の内容が理解できていれば

何を入れるかは比較的簡単に見抜けたはず。

 

 

最後、ライティングの今回のお題は、「キャッシュレス決済」について。

 

毎年時事問題に関連したお題が出されるけど、今年はこれで来ました。

 

春アカ生は、冬期・直前講習で似たようなお題で練習したから、

焦ることなく落ち着いて書けたよね?

 

 

 

以上、英語の学校選択版の振り返りでした。

 

 

学力検査版の方でも書いたけど、

「基本的な知識を正しく体系的に積み上げて、それが体にちゃんと馴染むまで時間をかけて練習する。」

これが本当に重要であることを改めて実感しました。

 

と同時に、春日部アカデミーで私がやろうとしていることは、

やはり間違っていなかった、ということも。

 

 

あとは、教科を超えた意味での「国語」の力の大切さ。

言い換えれば、「言語理解能力」。

 

これは本当に重要。これからもますます重要さを増していくでしょう。

 

 

ここをどう強化していくかが、今の私に課された課題です。