こんにちは。春日部アカデミー塾長の福地です。
今日は春分の日です。今日を境に、これから半年間は昼間の方が夜より長くなります。
そろそろ桜も咲き始めるころです。季節の移り変わりを感じますね。
さて、先日高校生からこんな話をされました。
『英語のing形は使い方がたくさんあって、なかなか覚えられません。』
そうですね。たしかに、英語のing形は用法たくさんあって、なかなか厄介なものかもしれません。
しかし、用法がたくさんあるということは、それだけネイティブにとっては「使い勝手のよい」ものなのです。
だから、厄介者扱いせずに、ぜひ「便利なツール」として好意的に考えてほしいと思います。
せっかくなので、ここでing形について少し深掘りしていきたいと思います。少し専門的な内容になるのであらかじめご了承ください。
まず、ネイティブの人にとってing形は一つの決まったイメージしかありません。
それは、「生き生きとしたリアルな動き」です。ちょうど動画のようなイメージです。
たとえば、
I play the piano.(私はピアノを弾きます。)という文では、ピアノを弾くという事実しか伝わってきません。ただの情報です。しかし、
I am playing the piano.(私はピアノを弾いているところです。)とすると、ピアノを弾いている様子がリアルに伝わってきます。実際の音が聞こえてきそうな感じです。
このように、ただの情報に「動き」を付け加える。これがing形の基本です。
このようなイメージをもって、ing形は文の中で様々な働きをします。
たとえば上の例文のように、進行形として主語(上の例文では「私」)のリアルな動きを表します。
それ以外にも、
・主語や目的語、前置詞の後に来る。
Playing games is fun.(ゲームをするのは楽しい。)
We enjoyed talking together.(私たちは一緒に話して楽しんだ。)
He is good at skiing.(彼はスキーをするのが得意です。)
ちなみに、この用法のingは「動名詞」と呼ばれます。他の方法は全て「現在分詞」と呼ばれます。わざわざ用語を分けるのも「難しい」と思わせる要因の一つですね。
・名詞の説明をする。
The man washing a car over there is my brother.(あそこで車を洗ってる男性は私の兄です。)
・動詞の後ろにつけて、主語の説明をする。(高校内容)
The dog came running to me.(その犬は私の方に走ってきた。)
・目的語の後ろにつけて、目的語の説明をする。(高校内容)
I kept him waiting for a long time.(私は彼を長い間待たせてしまった。)
・分詞構文として、主語や状況の説明をする。(高校内容)
Walking along the street, I met my old friend.(道を歩いていると昔の友人に会いました。)
このように、実に多くの使われ方をするのですが、唯一「述語動詞としての働き」は失われています。国語の文法に当てはめると「終止形の働きはない」ということです。
だから、I playing the piano. という英文は間違いなのです。これは進行形を習いたての頃によくみられるミスですね。
ちなみにこのing形は、埼玉県の県立入試には毎年必ず、何かしらの形で出されます。
ですので、中学生の皆さんは使い方を正しくマスターして、一緒に使われる熟語表現もしっかりと覚えておきましょう。
今回は専門的な内容で少し分かりづらかったかもしれませんが、
今後もたまにこのような内容で書いていきたいと思っているので、
どうかお付き合いいただければ幸いです。
この時期、花粉症の方にはつらい時期ですね。自分もたまにくしゃみが出るので、軽い花粉症なのかもしれないと思ってます。
さて、今回はこれにちなんだ表現です。
I am suffering from hay fever.
(私は花粉症に苦しんでいる。)
「花粉症」は英語でhay feverと言います。hayは元々「干し草」という意味で、花粉症の原因が究明されていなかった頃、干し草の作業をしている人たちがよくかかることから、こう名付けられたようです。
そして、suffer fromは「~で苦しむ」です。これをing形にして(現在進行形にして)使うことによって、今まさに苦しんでいる感じがリアルに伝わってくるのです。
それでは、次回もお楽しみに!