前にも書いたかもしれないが、
「言葉の力が弱い」というのは、「騙されやすい人間になる」ということと直結してる。
このメカニズムはこうだ。
まず、言葉の力が弱いと相手の話を理解することが出来ない。
そして、自分の考えも正しく伝えることが出来ない。
そういう者から人は少しずつ離れていく。
自分のことを正しく理解できない人。何を言ってるのかが分かりづらい人。
そういう人とは誰だって好き好んで一緒にいたくはないだろう。
となると、その先に待っているのは「孤独」だ。
しかし、いくら「一人の方が好き」と言ってる人だって、
本当の孤独に耐え続けることは不可能だ。
やがて、その孤独に耐えられなくなる。
詐欺師たちは、こういう「孤独な人」のことが大好きだ。
孤独で心が弱り切ってる人に、スーッと寄ってくる。
「私はあなたの理解者ですよ」という「ふり」をして。
心が弱り切ってる時にこんな風に来られたら、大半の人は一瞬でも心が揺らぐであろう。
それに加えて、元々の言語理解能力の低さ。
詐欺師にとっては「格好の餌食」である。
さて、このようにしてまんまと餌食になってしまったら、
あとはどこまでもとことん落ちていくだけである。
しかも、厄介なことに本人はそれに気付いてない。
本人にとってこの詐欺師は、自分のことを理解してくれる理解者。
「こんな自分のこともちゃんと理解してくれる」という、
いわば「心の恩人」だ。
だから、他の誰が何を言っても耳を貸さず、ただこの詐欺師の言うことだけが真理。
そう、まさに「洗脳状態」に陥るのである。
その状態で、他の多くの人を騙したり、
もしかしたら人を殺めてしまうこともあるかもしれない。
気付いた時には手遅れかもしれない。
いや、一生気付かずに人生を終えるかもしれない。
こんな人生を歩まないためにも、
「言葉の力」は無くてはならないものなのだ。
もちろん、他にも大事なことはたくさんある。
しかし、その多くのことを根っこの部分で支えてるのも、
「言葉の力」なのではないかと思うのである。
以上、春日部アカデミーから福地がお届けしました!