僕は、たとえば面談などの場において、
生徒がいる前でお金の話をすることがあまり好きではない。
どうしても必要があるから、やむを得ず話す、ってことは何度もあるけど、
やはり、基本的には子どもの前ではしたくない。
なぜならそれは、
「子どもには直接関係ない話」だと思うからだ。
たまに、「あなたにはこれだけお金がかかってるということを分からせたい」って親もいるようなんだけど、
子どもにそんな変なプレッシャーかけてどうするの?って話だ。
おそらくそれを聞いた子どもは、大人が想定してるような感情は持たない。
いや、「持てない」。
だって、自分でお金を稼ぐという実体験をしてないんだから、
お金の尊さや大切さなんて、
「何となく話としては理解できる」レベルで、
本当の意味で、大人が望むような感じでは理解できるわけがない。
さらに望ましくないのは、
このことによって、子ども自身が塾に行く動機にお金が絡んでくる可能性が出てくる、ということ。
たとえば、「今日は塾に行きたくないな」ってなった場合。
いや、本当に行きたくないっていう日が何日も続くようであれば、その塾をやめてしまうのが一番なのだが、
そうじゃなくて、たまたま今日は行きたくないな、ってなった場合。
そんな時に、「いや、でも、それだとお金がもったいないから」って思うのは、
なんか違和感を感じるし、本質からズレてしまってる気がするんだ。
だって、まずもって、そのお金は子ども自身が稼いでるお金ではない。
親が出してくれてるお金だ。
だから、親が「お金がもったいない」と思うのは普通だろうけど、
子どもがそれを思うのは、ちょっと違うと思う。
それに、「行きたくない。けど、行かなくてはいけない。」というように思う動機は、
子どもにとっては「お金が」ではなく、
「社会に出たらそういうことも必要だ」という思いからであるべきだ。
我々大人は、それを子どもたちに教えてあげないといけない。
言葉で伝えてちゃんと教えてあげないといけない。
そここそが「本質」の部分だと思うのだが、どうだろうか。
もちろん僕は、「(保護者の方から)お金を頂いている以上はそれ以上のものを返す」という責任のもとでこの仕事をしてる。
親とて、「高いお金を払ってるんだから、それに見合った、またはそれ以上のものを返してもらわないと困る」と思うのは当然のことだし、ぜひそう思っていてほしい。
けれど、子どもの軸で、子どもの目線で考えた時に、
お金の話は脇に置き、そことは距離を置いて考えていかないといけないと思うんだ。
あくまでも僕自身の考えではあるのだが、どうだろうか。
この考え、塾人としては間違った考え方だろうか。
以上、春日部アカデミーから福地がお届けしました!