昨日も「速報版」で出した今年の埼玉県公立高校入試問題の、軽い分析と講評。
今日から1日1教科、7日間に分けて、
もう少し詳しく見ていこうと思う。
というわけで、まず最初は国語から。
【大問1】
物語の舞台は、高校3年生の最後の合唱祭本番を目前に控えたあるクラス。
主人公の女の子が手を怪我してしまい、合唱の伴奏が出来なくなってしまった
というところから場面が始まる。
吹奏楽部や合唱部などの音楽系の部活だった子は、話に入り込みやすかったかもしれないね。
あと、ドラマ好きの子も。この手の話はドラマでよくある展開だから。
個人的には、たまに出てくる方言が萌え~な感じだったかな(笑)
問題の方は、どれも至ってオーソドックス。
ひねくれた問題や考えさせる問題は一切なし。
過去問や予想問題でしっかり練習した子にとっては、
何らいつもと変わりなく解けただろう。
全問正解者も、特に上位校では多数いそうだ。
【大問2】
漢字の読みは、ここ数年で最も易しかったと思う。
あまりに衝撃的すぎて、目ん玉が飛び出そうになった。
そして、文法問題が独立した問題ではなく、
いわゆる「長文問題」の中の設問の一つとして出題されてたのもちょっとした変化といえよう。
昨日のブログで、「文法問題は敬語の問題のみ」って書いてしまったけど、
それは間違い💦
よく見たら普通にもう一題出されてた。
僕の目は節穴か??
ま、でも、問題のレベルは至って基本的なもの。
個人的に、国文法の問題はあまり好きではないのだけれど、
この程度だったら、ま、いっか。
長文の内容に関する問題は、素直に読めば、少し時間はかかっても悩まず解ける問題だった。
【大問3】
マレーシアの狩猟民「プナン」の社会の仕組みを書いた論説文。
ちょっと読みづらさを感じた受験生もいるかもしれないね。
それなりの社会経験があるか、常にこういうことにも興味関心のアンテナを張ってないと、
なかなか入ってこない、
言い換えれば、頭の中に情景がしっかりと描けない内容かもしれない。
僕自身も「プナン」という民族のことは知らなくて、最初はちょっと読むのに苦労した。
でも、読み進めていくとなかなか良い話。
こんな社会を構築してる人たちがまだこの地球上に存在するなんて、
人類や地球の未来も、まだまだ捨てたもんじゃないのかもしれない。
さて問題の方は、こちらは実は至って標準的なものばかり。
内容がちゃんと頭の中で映像化できてストーリーが読み取れれば、ほぼ迷わずに解ける問題。
選択式の問題も、正解以外の選択肢は一目見て明らかに違うことが書かれてあるし。
そういう意味でも、「ストーリーを頭の中で映像化できるかどうか」が大きなカギを握る問題だったと言えるね。
【大問4】
古文の問題。
いつもと同様、最後にある「注」や脇に書かれてあるガイド文を頼りにしながら読めば、
話の流れは比較的容易につかめただろう。
問題も目立って難しいものは無いが、
問2は、もしかしたら若干、答えづらさを感じたかもしれない。
あの空欄の設置のしかたは、ちょっと意地悪じゃない?って、個人的には思う。
【大問5】
今年のお題は「フードロス」について。
最近ではすっかり馴染みのある話題なので、
書くことに困らなかったんじゃないかな。
というわけで、国語はこんな感じ。
総じて言えば今年の問題は、
文章がちゃんと読めれば、つまり、描かれてる世界観がちゃんと頭の中に映像として描くことができたら、問題自体はさほど迷うことなく解けたんじゃないかな。
というわけで、難易度は「易しくなった」と思う。
日頃から、国語という教科の枠にとらわれず、
もっと広い意味で「言葉の力」を磨き上げていくこと。
決して一朝一夕では出来ないこれの積み上げの差が、
今回の問題の解きやすさ、または解きづらさを決定付けたんじゃないかな。
そういう意味では、超良問と言えるかもしれないね、
今年の国語の問題は。
以上、春日部アカデミーから福地がお届けしました!