「分からないところがあったら、なんでも質問してね。」
これって、塾講師にとっては常套句とも言える言葉だろう。
自分も、前まではよくこの言葉を言っていた。
いつ頃までだろう。数年前くらいまでかな。
けど、ある時からなんか「違和感」を感じ始めたんだ。
なんて言うか、ただ質問に答えることって、
塾人としての使命を果たしたことにならないんじゃないか、みたいな。
その質問にただ答えるだけではなく、
その問題を「自分の力で」解けるようにしていく道筋を示すこと
自分の力で勉強を進めていけるようにもっていくこと
それこそが塾人の使命なんじゃないかって、思ったんだよね。
その質問に答えるだけならとても簡単な話だけど、
そこで終わってしまっては生徒のためにならない。
ましてや、その子がそこで満足してしまっては危険だ。
だから自分は、最近は「なんでも質問してね」ではなく、
「分からないところがあったら、一緒に解決していこう」
と言うようにしている。
もしくは、まだ勉強に不慣れな子に対しては、
「とりあえず、頼れ」
かな。
もしかしたら、長年ずっと言ってきたから遺伝子レベルで染みついてしまってて
自分でも気付かないうちに「質問してね」って言ってるかもしれないけど、
意識してその言葉は使わないようにしている。
塾講師の仕事は、もちろん教えることが中心だけど、
何でもかんでも教えりゃいい、って話ではない。
時には、教え過ぎてしまうことが逆に生徒にとっては仇となってしまうこともある。
生徒の成長を妨げてしまう結果にもなりかねない。
そこの匙加減も自分たちにとってはとても重要なことだ。