昨日、コスモの高校生に教えたことを、ここに再現。
今回はちょっと専門的な内容になります。
ちょっと前、または、自分みたいにずっと昔に大学受験を経験した人は、
英文法の勉強の中で「メガフェプス」というのを聞いたことがあるかもしれない。
「目的語にingはOKだけど、to不定詞はダメ」っていう、そう、アレです。
今でも使われてるのかな?
ちなみに自分は、「メガフェプス」に少し付け足して、
「メガフェプス・ダックス」で教えてました。
さてさて、何やら意味不明な呪文みたいなこの言葉。
上にもちょっと書いたけど、その正体は、
後ろの目的語にingはOKだけど、to不定詞はおかしいからヤメてね、という動詞群の、頭文字を取ったもの。
具体的には、以下の通り。
M → mind(気にする)
E → enjoy(楽しむ)
G → give up(やめる、あきらめる)
A → avoid(避ける) と admit(認める、受け入れる)
F → finish(終える)
E → escape(逃れる)
P → postponeかput off(延期する) と practice(練習する)
S → stop(やめる)
D → deny(否定する)
A → appreciate(感謝する)
C → consider(よく考える)
S → suggest(提案する)
たまに、一人二役(三役?)のものもあるけど、それはまあ、ご愛嬌ということで(笑)
で、要するに、
これらの動詞の後ろにはingはOKだけど、to不定詞はダメよ、ということだ。
ただ、これを単なる丸暗記で終わらせてしまうのはちょっともったいないので、
ちょっと深掘りしてみよう。
なぜこんな事が起きてるのか。
それは、to不定詞とingのイメージが根本的に違うから。これに尽きる。
to不定詞のイメージは、以前のブログにも書いたけど、こんな感じ。
そう、「eat sushi(寿司を食べる)」という文字情報を指で差してる感じ。
文字情報だから、そこに動きは全く感じられない。「実際にやってる感」が無いんだ。
だから逆に、want(望む)やdecide(決める)、promise(約束する)といった動詞とは、抜群に相性が良い。
「望む」、「決める」、「約束する」。どれも、ある方向を向いてたり、それを指差したりしてる感じ、あるでしょ?
しかも、まだやってないことだから、「実際にやってる感」は必要ない。というか、むしろ邪魔。
ちなみに、これらの動詞は、to不定詞はOKだけど、ingはダメ。つまり、メガフェプス軍とは逆。
それは、次に紹介する「ingのイメージ」と深い関係がある
さて、次にその「ingのイメージ」だが、
ingは、ズバリ、動画のイメージ。
つまり、こんな感じね。
そう、単なる文字情報ではなく、実際に動いてる。「実際にやってる感」そのもの。
ここに上げられるファイル形式の性質上、音は出てないけど、
実際には音すら聞こえてきそうな、そんなイメージ。
だから、ingは進行形にも使われるのよ。
ちなみに、進行形で使われるingは「現在分詞」って呼ばれてて、今回ここで話題にしてる方は「動名詞」って呼ばれてるから名前が違うんだけど、
面倒くさいからing形で統一(笑)
話を戻すけど、
メガフェプス軍の動詞たちは、どれも「実際にやっていること、動いていること」に対して行う行為だったり、湧き上がる感情だったりする。
「楽しむ」だって、実際にやってなければそう感じないし、
「あきらめる」にしても、そもそもやってもないことは「あきらめる」以前の問題。
他にも、「終える」も「延期する」も「逃れる」も、全てそう。
中には、日本語にするとちょっと「ん??」って思うものもあるかもしれないけど、
ネイティブ的には全て同じように感じられる。
だから、「実際にやってる感」が全然感じられないto不定詞とは、相性が悪い。
これが、あの謎の呪文「メガフェプス」の真相。
ちなみに、to不定詞とingはこんな感じで全くイメージが異なるから、
学校では「同じ意味だよ」って教えられてる以下の2つの文も、
伝わってくるイメージは全然違う。
I like to eat sushi. (私は寿司を食べるのが好きです。)
これは、たとえば自己PR書の趣味の欄に書いてる感じ。聞く方も、「ふーん、なるほどね」くらいな感じ。
それに対して、
I like eating sushi. (私は寿司を食べるのが好きです。)
これは、たとえば寿司を目の前にして「寿司食べるのめっちゃ好き~」って言ってる感じ。たぶん、言い終わった瞬間に食べ始めてるね。聞く方も、「うん、美味しいもんね♪」とか言いながら、一緒に楽しく食べてる感じ。
こんな感じで、全然違うのよ。
たまたま、日本語に直してみた時に同じになります、ってだけの話ね。
さ~、今回は久々に英語LOVEが爆発して、たくさん書いてしまった。
スッキリした~(笑)